旅路②~アムールの街~
5日目。パリ。
スイスのインターラーケンを後にし、バスでジュネーブへ、それからTGVに乗っていざパリへ。
まずはヴェルサイユ宮殿とその庭園散策、それからルーヴル美術館でとりあえずモナリザとミロのヴィーナス等を鑑賞、あとは、車窓からパリ市内をグルっと回る。
パリは本当に素晴らしい。
さすが芸術の都というだけある。
建物がイチイチ素晴らしい。美術館も駅も凱旋門もエッフェル塔もノートルダムもそのへんの町並みも何もかもがステキ。スケールがデカイし、歩くだけで楽しい。
古いものを大切に修復して活用してるんだよね。
ただ、時間が足りなかったのが残念!
次はもっと時間をかけていろいろ見て歩きたい。ルーヴルももっと詳しく見たいしね。
私たちが参加した旅行のツアーメンバーは24人(12組)、実は半分の6組が新婚旅行という若いツアーであった。
あとは、私たちのような母娘が4組、夫婦1組、友人同士1組。
また、カップルが腕組んだり手を繋いでパリを歩くとサマになるわけ。新婚だから、またイチャイチャするわけ。バスの中でも、狭いのにイチイチ寄り沿っちゃったりして、一体何なのさと思うわけ。暑苦しいったらないワケ。
母がまたニヤリと笑って私に言った。
「・・・・・・かわいそうに」
・・・うるさいよ。
しかし、確かにパリは恋人と歩きたい街ではあるね。
ムーディなのは苦手だが、ヨーロッパのムーディなら許せるわ。カモ~ン。
私が珍しくそんなことを思う、アムールの街パリであった。
6日目。モン・サン・ミッシェル。
オプショナルツアーで、世界遺産モンサンミッシェルへ。
バスで片道4時間。
一旦、パリを出ると、後はなだらかな田園風景。
ドイツもスイスもそうだけど、これまた田園風景がイイカンジなんだよねぇ。幸いなことに、旅行中は文句のない晴天に恵まれていたので、空の青と、赤い屋根と、緑の牧草地のコントラストには惚れ惚れした。街とは違った美しい自然の風景。
高速道路も、日本のように強固な壁がないので、ビュンビュン車の通る道路の脇には羊や牛がのんびり草を食べていたりして。
モン・サン・ミッシェルは、708年、オベール司教が大天使ミカエルのお告げによって立てたといわれる聖堂で、1979年に世界文化遺産に指定、海上にある小さな岩山を利用して建てられたもので、海の上にぽっかり浮かんだように見えるのが幻想的だ。
一時は要塞や監獄として、そして現在も修道院として使われているそうな。
4時間もかけて行ったのに、観光は2時間。仕方ないんだけどさぁ。
トイレも有料なのよ!金とりやがんの。
モン・サン・ミッシェル、というのが面倒なのか、母は、「モンサンがさぁ」と言っていたが、中国人じゃあるまいし、馴れ馴れしく呼ぶのはやめて欲しい。
バスの中で、ガイドさんが、簡単なフランス語を教えてくれたのだが、
「“シル・ブ・プレ”は“お願いします”という意味ですね」
というのを母が必死で書き留めていたので、チラっと見ると、
「シルビックレ」
と書いていた。・・・・ツボにハマってヨダレが出そうになった。
「“おはようございます”と“こんにちわ”は、“ボンジュール”です。これは皆さんも知ってますね」
ハイハイとこれには頷いていた母であるが、バスを降りてツアーメンバーに放った言葉は、
「おぉー、ボーンジョルノ~!」
・・・・・・イタリア語になっとるし。
AB型の母は、気質が限りなくB型で、A型の性質ははっきり言って見られない。
だから、典型的A型の私とはかなり性質が違い、私はイライラすることが多かったのも事実である。
しかし、誘ったのは私だし、初の海外旅行で満足してくれたようなので、まぁ、いいとしよう。
「次はイタリーに行きたいわ~。ね」
“ね”って・・・・・次は自分で行ってください、お母様。
・・・・・しかし、ヨーロッパの物価の高いことには驚いた。
レストランはいちいち水が有料だし、旅行中、飲料代だけで二人で1万円は使ったよ(イヤマジで)。
物価は、日本の1.5倍と考えてよいかと思う。日本でなら500円程度のものが5ユーロ(約750円)てな具合である。
日本のサービスの良さを改めて認識した。むしろ良すぎるくらいなんじゃないか。レストランにしてもホテルにしてもね。
一番難儀だったのが、食事である。
たった一週間でも、ヨーロッパの食事は厳しいものがあった。
まず、ドデカイ肉がバーン!とくる。付け合わせはだいたいがジャガイモ。葉っぱ類がない。デザートもデカイ。そしてめちゃ甘。
申し訳ないが、量もハンパじゃないし、口にも合わず、「葉っぱが食べたい葉っぱが食べたい」と言いながら毎日ビタミン剤と胃薬を飲んでいた。
あんな食生活をしていたら、1年で体重は倍になり、3年で成人病で死ぬと思う。
唯一、いいなと思ったのが、ヨーロッパにいると、自分が痩せて見えるということだ。それだけ、皆太いしデカイ。
お腹がどれだけ出ていても、平気でヘソ出しルックだし、日本では見られないようなオデブ様が町中を闊歩していた。
服装も様々。流行もあるのだろうが、その流行に流されていない感じがする。
あらゆる意味で、日本を見つめ直すにはいい機会であった。
あ~、明日からまた現実か・・・・。
ボチボチ頑張りますか。